コンセプト・ワークス:正解があふれる時代の「自分ならでは」のつくりかた
本書は、2026年9月3日に刊行される、弊社代表・吉田将英による単著です。2024年に上梓した『コンセプト・センス』(WAVE出版)が、企画の骨子となる「コンセプト」の設計思想を体系化した理論編であるとすれば、本書はその思想を実際に手を動かして形にするための実践編にあたります。強いコンセプトを生み出す「6つの道具」を解説した手引き書と、第一線の実践者6名との対談を収めた作品集が、一冊に同居する構成をとりました。前作を未読の方でも、そのまま読み進められる設計です。
本書が出発点に置くのは、生成AIがあらゆる問いに対して、多元化した正解を滑らかな言葉で即座に差し出すようになった現在、私たちが立たされているのは、むしろ「正解があふれる」状況ではないかという着眼です。選択肢もそれらしい答えも、かつてなく手に入りやすくなりました。だからこそ最後に残るのは、「では、あなたはどうするのか」という問いです。本書は、その問いにコンセプトという道具でどう応えるかを扱います。
第1章では、コンセプトを「コンパス」「ヒント」「らしさの源」「指」「エンジン」という複数の作用から捉え直します。存在としては本質的でありながら、その働き方は場面によって変わる——その両義性をつかむための章です。第2章は、家電のクイックスタートガイドに範を取った実装の章。認知の拡張MAP、志の4象限、コンセプト構文、BIV-Cモデル、コンセプト・マンダラ、オン・コンセプト思考フレームという6つの道具を、「とらえなおす」「見立てる」「実装する」という流れに沿って、読みながら手を動かせる形で配置しました。そして第3章「コンセプトの現場」には、神原一光氏、小柴美保氏、小林百絵氏、谷川嘉浩氏、銅冶勇人氏、長村禎庸氏(五十音順)——それぞれまったく異なる領域で「自分ならでは」を世に打ち出してきた6名との対談を収録しています。
6名が手がけているものは驚くほどばらばらですが、その根には同じ問いが流れています。自分の内側からあふれ出る動機を、外側の社会や顧客が潜在的に必要としているものと、いかに接続するか。本書が読者に手渡すのも、この問いです。そもそも何をどうしたいのか。そもそも自分は、どこに行きたいのか。なぜ、その企画でなければならないのか。現状の枠組みを問い直し、自分の手で新しい見立てをつくろうとするすべての方に開かれた一冊です。
- 出版社:WAVE出版
- 発売日:2026年9月3日(予定)
- 定価:2,420円(税込)
- 判型:A5判・215ページ