アパレルの枠を超え、問いを「遠く」に見立てる
2019年、創業25周年。新社長に就任された園田恭輔さんからの相談は「ファッションの会社から、カルチャーやライフスタイルを包含する会社へ」という、まだ掴みどころのない願いから始まりました。
最初に行ったのは、「問いを遠くにおいた対話」です。喫緊の経営課題を一旦留保し、「そもそも若者とは? 個性とは? 幸せとは?」といった本質的な対話を幾度も重ねました。売上の議論を急がず、我々がこれからの社会に存在する意味を見つめる。この「遠望モード」の共有こそが、仮説の起点となりました。
対話を通じて「違和感」をすくいあげる
対話を繰り返す中、ブレイクスルーの着火点となったのは、園田さんの「トレンドは本来、誰が決めるべきなのか?」 という業界常識への違和感に基づく問いでした。
ファッションの未来はクリエイティブディレクターの頭の中ではなく、若者一人ひとりの遊びや悩みの中にこそある。SNS時代の「いいね」疲れの裏側で、自分らしくありたいと願う切実な欲求。園田さんのビジョンと社会の静かな地殻変動が、一つのベクトルに重なった瞬間でした。
「YOUR FAN」という法人のコンセプト
混迷した状況に一本の補助線を引く。コピーライター魚返洋平さんと共に導き出した答えは、「ブランドがお客さんのファンになる」という発想の逆転でした。
普通のアパレルブランドは、お客さんがブランドのファンになる。 でもウィゴーがやりたいことは要するに、ブランドがお客さんのファンでありたいということなのではないか?
「流行を提示する側と追う側」という従来の構造を組み替え、「個性を認め合い、新たにつくり合うフラットな関係」へとデザインし直す。この思考を凝縮した「YOUR FAN」というコンセプトは、単なるスローガンを超え、組織が進むべき方向を指し示す静かな、しかし強い旗印となりました。
ウィゴーのコーポレートスローガンとタグライン
「自走する思想」を組織の内外に結んでいく
CIVI、行動規範、店頭、さらには物流トラックのラッピングまで、あらゆる接点で「YOUR FANを体現しているか」を問い直すきっかけとしてコンセプトは機能しました。さらに、ビジョンブックや5ヶ年戦略の可視化を通じ、一貫した思想を組織に浸透させていきました。
園田さんはこう振り返ります。「日々仕事をしていると無難な方へ流されそうになりますが、踏みとどまる源泉にこのコンセプトがある感覚です」。
組織の根っこにはコンセプトが宿り、具体的な活動へと関係性の枝葉が広がっていく。クライアントがまだ見ぬ「遠く」へ歩み続けるための確かな拠り所をつくる。それが、私たちの目指す伴走のあり方です。
行動ガイド「7 WAYS TO GO」
外部パートナーとして全社総会で戦略方針説明をする弊社吉田
園田さんはこう振り返ります。「日々仕事をしていると無難な方へ流されそうになりますが、踏みとどまる源泉にこのコンセプトがある感覚です」。
組織の根っこにはコンセプトが宿り、具体的な活動へと関係性の枝葉が広がっていく。クライアントがまだ見ぬ「遠く」へ歩み続けるための確かな拠り所をつくる。それが、私たちの目指す伴走のあり方です。
※本件は吉田・諸江が電通在籍中より手がけている事案になります。