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中期経営計画を「自分たちのもの」にする、共創型の策定プロセスとビジュアル化

中期経営計画を「自分たちのもの」にする、共創型の策定プロセスとビジュアル化

経営計画づくりを、経営企画の外へ開く

10年ビジョン「SNK Vision 2030」の総仕上げにあたる、次期中期経営計画。その策定にあたって新日本空調が選んだのは、経営企画本部の中だけで完結させない進め方でした。

社長を統括責任者とする全社横断のプロジェクトとして、営業・技術・研究・海外まで、事業の広がりを網羅するかたちで、幅広い部門から11名のメンバーを選出。現行計画の延長ではなく、ゼロベースで考える。そう決めたところから、私たちの伴走は始まりました。

とはいえ、最初から確信を持って集まったメンバーばかりではありません。公募も、予告もない人選でした。「皆さんにとっては突然声がかかった形だったと思います」。新日本空調の統合報告書2026に特集として収録された座談会で、経営企画本部長の今中一博さんはそう振り返っています。

中期経営計画を「自分たちのもの」にする、共創型の策定プロセスとビジュアル化
中期経営計画を「自分たちのもの」にする、共創型の策定プロセスとビジュアル化

部門横断メンバーによる「ありたい姿」セッション

「そもそも、ゼロベースとは何か」から始める

最初に時間をかけたのは、計画の中身ではなく、言葉の定義です。

ゼロベースで考えよう、という号令はよく聞きます。けれど、何を一度手放し、何は手放さないのか。その線引きが揃わないまま走り出すと、議論はどこかで必ずかみ合わなくなる。だから私たちは、「そもそもゼロベースで考えるとは何か」をメンバー全員で共有し棚卸しするところから入りました。

そのうえで、自分たちの視点だけで描いた未来を、一度、立場を変えて眺め直す。事業の話に閉じず、社会の目線からも、そこで働く人の目線からも、自社の未来を描き直していく。問いを遠くに置いて、また足元へ戻ってくる。この往復を、セッションを重ねながら繰り返しました。

簡単な作業ではありません。メンバーの中亮さんは「最初は視点の切り替えに苦労しました」と振り返っています。

「与えられた仕事」から、「自ら経営をつくる仕事」へ

議論が深まるにつれ、変わっていったのは計画の中身だけではありませんでした。

営業部門の曽我友紀さんは、こう語ります。「私は当初、生産性を高めるには、効率化を優先し同業他社との差を埋めることが重要だと考えていました。しかし、施工現場や施工管理部門の声を聞く中で、当社の存在価値や品質へのこだわりなど、効率だけを優先していては守れない価値があることを実感しました」。

変化がはっきり見えたのは、プロジェクトの後半です。メンバー自身が、自分たちでリーダーを選び出したのです。本業の忙しさの合間を縫って、論点を整理し、資料をつくり、意思決定の案を練り上げていく。与えられた宿題をこなす顔つきではなく、経営の視座に立つ当事者の顔つきに変わっていました。

技術部門の白土剛さんは、こう語っています。「以前は策定された計画を受け止める立場として、自分の役割の範囲でやるべきことを果たすという意識でした。しかし、自分自身が策定に関わったことで、担当領域にとどまらず、新中計全体に対する責任を感じるようになりました」。

この1年は、中期経営計画をつくる時間であると同時に、次の世代のリーダーが育つ時間にもなりました。伴走した私たちの目には、そう映っています。

中期経営計画を「自分たちのもの」にする、共創型の策定プロセスとビジュアル化

メンバー自身による上申資料の検討

計画は、伝わらなければ動かない

こうしてまとまった計画は、2026年、「SNK Vision 2030 Phase III」として公表されます。テーマは「快適価値創造への進化」。

ただ、どれだけ丁寧に練られた計画も、文章のままでは、初めて読む人の頭に入っていきません。私たちが続いて引き受けたのは、この計画を「伝わる形」へ翻訳する仕事でした。

方針は明快でした。すべてを正確に盛り込むのではなく、一目で要点が伝わり、記憶に残ること。10年ビジョンの中で今回がどこに位置するのか。5つの基本戦略は、どうつながって未来を引き寄せるのか。文字量を削ぎ落とし、企業ロゴのモチーフである「羽ばたき」を起点にした一枚のキーピクチャーへ、計画の全体像を集約していきました。

中期経営計画を「自分たちのもの」にする、共創型の策定プロセスとビジュアル化

SNK Vision 2030 ロードマップ|PhaseⅢの宣言

中期経営計画を「自分たちのもの」にする、共創型の策定プロセスとビジュアル化

マテリアリティと基本戦略/2030年に向けたありたい姿

1年が残したもの

計画は、つくり終えた瞬間が完成ではありません。

書かれた言葉を、誰かが自分の言葉として引き受けたとき。一枚の図が、次の会議で誰かの判断のよりどころになったとき。そこではじめて、計画は動き出します。

考えるところから、伝わるところまで。私たちが伴走したのは、その全部でした。

引用は、新日本空調株式会社「統合報告書2026」特集『新中期経営計画 策定メンバー座談会』(31〜35ページ)より。
今中 一博=執行役員 経営企画本部長、曽我 友紀=リニューアル事業部 営業部長、白土 剛=都市施設事業部 技術部長、中 亮=事業推進本部 ファシリティーソリューションセンター長(いずれも同誌掲載時)。

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