銀行だからこそ成し遂げられる「再成長」への責任
日本経済の屋台骨を支えてきたメガバンクとして、今、何を成すべきか。三井住友銀行で長年スタートアップ支援の最前線に立ってきた石澤卓也さんが抱いていたのは、「メガバンクにしか成し遂げられない産業創造がある」という、ある種、悲願に近い志でした。
私たち(当時のプロジェクトチーム)が最初に取り組んだのは、「自分たちがやろうとしていることは、一体何なのか」という活動の本質を定義することです。銀行が積み上げてきた「算盤(経済的価値)」という圧倒的な信頼を肯定した上で、その巨大な力をいかに「ロマン(社会的価値)」へと接続するか。既存の銀行の枠組みを一旦留保し、国家レベルの産業創出という「遠い志」へ視力を合わせることから、すべては始まりました。
志に共鳴する「異能」を呼び込む、「産業創造の弓」
対話を重ねる中で導き出した最大の成果が、コンセプトである「産業創造の弓」です。「投資家と起業家」という二元論をほどき、起業家が持つ情熱や覚悟を「意志資本」という最大の資源と捉えて、共に歩む伴走者となる。
この本質の定義を軸に、活動姿勢を説く「ならではを、らしからぬ方法で」や、意志を鼓舞する「Trigger the growth」といった言葉へと昇華させ、企業としてのアイデンティティを確立しました。
SMBC Edgeのコーポレートタグライン&ステイトメント
この試みは、単なる理想の掲揚に止まらず、極めて実利的な「採用の磁力」として機能しました。 志を明文化したビジョンブックは、メガバンクが持つ圧倒的なネットワークや資本力といった「強み」を正しく肯定した上で、それを新産業の創造へつなげるという明確な意志を提示。結果として、従来の金融の枠組みを超えた挑戦を求める層に深く響き、金融業界以外からも、事業開発やテック、HRといった各分野の異能が次々と参画。 立ち上げ期において、理想を具体に動かすための高度な専門集団が、リファラル(紹介)中心に高い純度で結成されたのです。
SMBC Edgeの目指す産業創造構想マップ
仲間と共に、歩むべき「佇まい」を研ぎ澄ます
初期コアメンバーが揃った段階で、次に行ったのが「組織としての佇まい(人格)」をより強固にするためのプロセスです。多様なバックグラウンドを持つメンバーが集まったからこそ、自分たちが社会に対してどう振る舞うべきかという「判断基準」が必要でした。
セッションを重ねて定義された現場主導の行動指針や価値観は、組織が迷った時に立ち返る共通言語となりました。この頃、並行して開発した「SMBC Edge」という社名は、これら全ての想いを象徴する旗印として採択されました。
未来を射抜くための「拠り所」の実装
伝統ある組織の中に、未来を創発するための新しい視座と拠り所をつくる。私たちは、石澤さんたちと共に引き絞ったこの「弓」が、日本の再成長を射抜くための確かな起点になると信じています。
社会は今、この「メガバンクによる本気の挑戦」を、スタートアップエコシステムの停滞を打破する「大企業の出番」として好意的に受け止めています。組織の根っこに宿った思想は、独自のファンド設立や多面的な伴走支援という具体的な「うねり」となって、日本の産業の景色を確実に変え始めています。
SMBC Edgeの皆さん
※本件は吉田・諸江が電通在籍中より手がけている事案になります。